ブロックチェーン技術の進化に伴い、分散型金融(DeFi)プラットフォームは急速に発展しています。
その中でもzkLendは、注目を浴びるStarknet上のプラットフォームの1つです。
zkLendは金融市場zk-rollupのスケーラビリティ、優れたトランザクション速度、コスト削減とイーサリアムのセキュリティを組み合わせたプロトコルです。
この記事では、zkLendについて詳しく紹介し、その機能に焦点を当てていきます。
zkLend公式HP:https://zklend.com/
zkLendとはどのようなプロジェクト?
The native L2 money-market protocol built on Starknet.
zkLendはStarknet上に構築されたレイヤー2のネイティブマネーマーケットプロトコルです。以下にzkLendの目的や、プロジェクト概要について見ていきましょう。
zkLendの目的
zkLendの目的は、ユーザーの流動性ニーズに応える、簡単で安全かつ効率的なマネーマーケットプラットフォームを提供することです。
zkLendは、個人ユーザー向けに特別に設計された許可不要の融資市場です。
ユーザーはいつでも自分のウォレットを通じてデジタル資産を預けたり借りたりすることができます。
デジタル資産をプロトコルに預けた人は、これらの預けた資産を借りている他のユーザーが支払う利息から得られる利回りを得ることができます。
同時に、ユーザーはこれらの預けた資産を他の資産を借りるための担保として有効にすることができます。
zkLendはStarknet上に構築されるプロジェクト
zkLendでは、zk-rollupsがイーサリアムのスケーラビリティの未来を表すという信念の下で開発されています。
そのため、StarknetのL2ソリューションを活用することで、zk-rollupテクノロジーの利点とイーサリアムのセキュリティおよび分散化を組み合わせています。
Starknetについて簡単に解説
Starknetは、最初の汎用zk-rollupソリューションの1つであり、従来のL1ネットワークと比較して、優れたトランザクション速度、低いトランザクションコスト、最先端のブロックチェーンイノベーションを提供します。
Starknetは、ネイティブ アカウントの抽象化、トラストレス ブリッジング、並列化、再帰的証明などの主要なイノベーションを可能にします。
StarkWareと、ZCashやStarkExなどの堅牢な製品を構築した創設チームの強力な実績により、StarknetはzkLendを強化するための将来性のあるプラットフォームであると考えられています。
StarknetとStarkWareについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
次にzkLendの機能について詳しく見ていきましょう。
zkLendの後援にはStarkWareも
zkLendの後援を見てみると、Starknet開発のStarkWareの名もあることから、Starknetのエコシステムの中でzkLendが主要な位置にいることが見て取れます。
そのほかにも暗号資産(仮想通貨)における主要なVCが名を連ねていますね。
zkLendの使用例:貸し出しと借り入れ
zkLendの主要な機能が、貸し出し(Lend)と借り入れ(Borrow)です。
貸し出し(Lend)
ユーザーはデジタル資産を預けて、それぞれの市場プールに流動性を提供できます。
その見返りに、貸付資産に対して利息が得られ、その利回りはこれらの資産の借入需要に応じて決まります。
ロックアップ期間はなく、ユーザーは任意の金額をプールに入金できます。
借り入れ(Borrow)
ユーザーは、自分の資産を担保として市場プールに預けられた資産を借りることができます。
各資産の資金調達コストは、資産タイプとプール利用率に基づく金利モデルによって異なります。借入上限額は利用者の借入能力に応じて決定されます。
ユーザーが借入能力を超えた場合、十分な返済資金を確保するためにポジションが清算される場合があります。
zkLendの2つのプロトコル
zkLendにはユーザーに合わせた、2つのプロトコルがあります。
DeFiユーザー向けの「ARTEMIS」
ARTEMISはDeFiユーザー向けの機能であり、既にメインネットで使用することができます。
次世代のDeFi貸付プロトコルであるArtemisを使用すると、あらゆるユーザーがStarkNet 上で効率的かつ分散型の方法で預け、借り、貸し出すことができます。
ARTEMISを使用する:https://app.zklend.com/markets
機関ユーザー向けの「APOLLO」
APOLLOは機関ユーザー(法人顧客)向けの機能であり、この記事を執筆時点では未公開となっています。
機関ユーザー向けのDeFiへのゲートウェイであるAPOLLOを利用すると、許可された参加者は、Starknetのコンプライアンスやセキュリティを損なうことなく、預金、預入、貸付を行うことができます。
zkLendのメインネットが公開
2023年10月、zkLendは、アルファリリース以来の重要な一歩を示す、メインネットの立ち上げを発表しました。
メインネットのアルファ版から5か月足らずの短期間で、zkLendはTVLが700万ドルを超えるまで急激に成長しただけでなく、Starknet の貸借プラットフォームとしての地位を確固たるものにしました。
StarknetのDeFi TVLでかなりの割合を占める
zkLendは2023年10月時点で Starknet DeFi TVL の17.6%というシェアを占め、Starknet上で最大の融資プロトコルであるだけではありません。
Starknet上で導入された最初のマネーマーケット プロトコルであるという当社のマイルストーンは、Nethermind Security の監査と正式仕様によって同時に補完されました。
チームは製品の出荷だけでなく、ユーザーの長期にわたる製品のセキュリティと寿命にも取り組んでいます。
zkLendの今後のビジョン
当面は、ワンクリックブリッジ&デポジット、トランザクションビルダーなどのユーザー中心の機能を導入する準備を進めています。
zkLendの目標はシンプルであり、ユーザーが最も直感的にナビゲートできるDeFiレンディング市場になることです。
zkLendの包括的なビジョンは、DeFiの流動性レイヤーを再定義し、複数の L2 ロールアップ間のギャップを橋渡し、小売と機関の両方の顧客にサービスを提供することです。
zkLendの暗号資産(仮想通貨)であるZENDトークンについて
zkLendは暗号資産(仮想通貨)のプロジェクトですので、独自のトークンを発行予定です。
公式ホームページにトークンエコノミクスの記載あり
zkLendの公式サイトにて、トークンについての情報が書かれています。
トークンの供給量が1億枚であり、あとは分配についての記載があります。
ZENDのエアドロについては情報なし
トークンティッカーは「ZEND」であるという噂がありますが、公式サイトにはそのような記載は見られませんでした。
また、ZENDトークンのエアドロについても噂はあれど、公式からの言及はありませんでした。
もしあるとすれば、レンディングサービスの使用者への配布となるかもしれません。
zkLendのレンディングを使用する:https://app.zklend.com/markets
zkLendによるLSDFiへの取り組み
上のロードマップには記載がありませんが、先日行われたboarding bridgeにおけるAMAでは、zkLendがLSDFiへの取り組みも計画していることが言及されました。
LSDとはリキッドステーキングデリバティブのことで、簡単に言えばイーサリアムを個人でも利率良くステーキングできるものです。
イーサリアムブロックチェーンで流行しているLSDFiは、最近ではL2上でも発展しており、Starknet上でのLSDFiへの取り組みをzkLendが率先して行うということなのでしょう。
詳しくはAMA全容についてまとめられたCryptoTimesの記事『Starknet上のレンディングプロトコル「zkLend」AMAまとめ』をご覧ください。
zkLendまとめ
zkLendは、Starknet上における分散型金融の新たな進化形として注目されているプラットフォームです。
多くの魅力的な特徴を備えており、今後のDeFi分野において重要な役割を果たすことでしょう。zkLendの発展を注視し、その進化に期待しましょう。
zkLend関連リンク集
zkLend公式HP:https://www.zklend.com/
zkLend公式X:https://twitter.com/zkLend
zkLend公式Discord:https://discord.com/invite/3v7RhwtJ8S
Starknet Ecosystem:https://www.starknet-ecosystem.com/