イーサリアムは、世界で最も広く使用されているスマートコントラクトプラットフォームです。
しかし、その人気と成長に伴い、イーサリアムネットワークは過負荷に陥り、トランザクションの処理速度が低下することがあります。
これはプラットフォームのスケーラビリティの問題であり、この問題に対処するために、Starkwareが開発したStarknetが注目されています。
Starknet EcosystemにおけるDappsの数はかなりの数に上り、今後の発展に暗号資産（仮想通貨）界隈でも期待が集まっています。
今回はそんなStarknetとは何か、特徴およびエコシステム・トークン情報など解説していきます。
Starknetを開発したStarkware社
Starkwareは、分散型アプリケーションのスケーラビリティを向上することを目的としたブロックチェーンのテクノロジーカンパニーです。
Starkware社とは
ゼロ知識（ZK）テクノロジーを活用したブロックチェーンのスケーリングソリューションを開発しており、イスラエルに本拠地を構えます。
StarknetやStarkExの開発のほか、開発者向けのCairoという言語も提供しています。
Starkware公式サイト：https://starkware.co/
Starkwareへの出資者
Starkwareへの出資者(Investor)には、ParadigmやSEQUOIAなど一流VCが揃っています。
また、Starkwareのチームやアドバイザーを見ても多人数かつ精鋭揃いであり、その規模感がうかがえます。
参照：https://starkware.co/about-us/
Starkwareが開発するStarkプロトコル「ZK-STARK」
また、同社は新たなブロックチェーンのプロトコルを開発しました。通称、ZK-STARKと呼ばれます。
これは既存のzk-SNARKの代替提案として開発されました。
StarkWareによって発明された ZK-STARKは、新しい暗号証明と最新の代数を使用して、ブロックチェーン上の計算の整合性とプライバシーを強制します。
ZK-STARKを使用すると、ブロックチェーンが計算を単一のオフチェーンSTARK証明者に移動し、オンチェーンの STARK Verifier を使用してそれらの計算の整合性を検証できます。
Starknetとはどのようなプロジェクトなのか
Starknetは、Starkwareが開発した新しいブロックチェーンプラットフォームであり、イーサリアムネットワーク上で動作します。
Starknetの目的と価値
Starknetは、高速で安全な分散型アプリケーションの開発を可能にし、プラットフォームのスケーラビリティの問題を解決することを目的とした、分散型有効性ロールアップ (ZKロールアップ / ZK-Rollups)です。
すべての開発者は、スマートコントラクトを使用して任意のdAppをデプロイし、無制限のスケールを実現できます。
Starknetが提供するスケーリング
Starknetはメインネット上で稼働しており、開発者とユーザーに大規模なスケーリング、高速トランザクション、低コストを提供します。
開発者はStarknetの機能を利用して、選択したビジネスロジックを許可のない方法で実装できます。
また、Starknet Appchainsを使用すると、ネットワークの構成を調整し、独自の機能を実装しながら、Starknetのスケーリング能力とツールの恩恵を受けることができます。
Starknetの特徴
Starknetの特徴としては、スケーラビリティと整合性などが挙げられます。
また、開発者は、Cairo、アカウント抽象化、およびその他の機能の利点を活用して、Starknet にあらゆるビジネス ロジックをデプロイできます。
レイヤー2とSTARKプルーフ
Starknet はレイヤー2として動作し、オフチェーンでSTARKプルーフを生成します。
それらのプルーフをオンチェーンに送信することで、スケールとイーサリアム レベルのセキュリティを提供します。
高速なトランザクション処理速度
Starknetの最も注目すべき特徴の1つは、高速なトランザクション処理速度です。
Starknetは、1秒あたり約10,000のトランザクションを処理できます。
これは、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するために必要な速度です。
ブロックチェーンのセキュリティ
また、Starknetは、ブロックチェーンのセキュリティを維持しながら、スマートコントラクトの開発を簡素化します。
Starknetは、開発者がブロックチェーンアプリケーションを開発するために必要な様々なツールを提供します。
開発者は、Starknetのプラットフォーム上で、高速で安全なスマートコントラクトを開発することができます。
Starknetの将来性
処理速度と安全性
Starknetは、イーサリアムのスケーリング問題を解決するために開発された新しいブロックチェーンプラットフォームです。
その高速な処理速度と安全性は、イーサリアムのプラットフォーム上で分散型アプリケーションを開発する開発者にとって、大きな利点となります。
イーサリアムネットワークとの互換性
また、Starknetは、イーサリアムネットワークとの互換性があるため、既存のイーサリアムユーザーにとっては、移行の際の負担が少ないという利点もあります。
イーサリアムのコミュニティにとっても、Starknetの登場は、プラットフォームの成長を促進することにつながります。
NFTの分野での活用
さらに、Starknetは、NFTの分野においても重要な役割を果たすことが期待されています。
現在、NFTの市場は急速に成長しており、様々なチェーンでNFTが発行されています。
Starknetの高速なトランザクション処理速度と安全性は、NFTの取引をより迅速かつ安全に行うことを可能にします。
Starknetはトークン発行を予定している
Starknetはトークン発行を予定しています。Starknetトークンのティッカーは明確な発表はありませんが、おそらくSTRKであると予想されています。
STRKトークン
Starknetトークンは、取引手数料の支払い、Starknetプロトコルへの参加、ガバナンスへの参加に使用されます。
また、初期発行数は100億枚であり、貢献者など様々な配布先が予定されています。
STRKトークンの配布先
割り当ては上の図のように予定されています。
Core Contributorsやコミュニティへの割り当ても相当数が予定されており、配布の基準が気になるところです。
Starknetのガス代料金にSTRKが使用される
現在はStarknetの取引手数料の料金はイーサリアム(ETH) で支払われるようになっています。
しかし将来的には、ネイティブのStarknetトークンのみを使用して料金が支払われるようになることが予想されています。
Starkwareのmediumにも以下にその旨が記載されています。
Later, Starknet fees will be paid only in this token, while ensuring good user experience for users interested in paying fees in ETH.
出典：https://medium.com/starkware/part-1-starknet-sovereignty-a-decentralization-proposal-bca3e98a01ef
Starknetエコシステムとは
Starknet Ecosystemについてまとめます。Starknetエコシステムとは、Starknetを活用した様々なdApp、サービス、ウォレットの総称です。
カテゴリーとしても、ブリッジ・DAO・ウォレット・DeFi・NFTなど多岐にわたります。
Starknet Ecosystemのプロジェクト数はおよそ100
掲載プロジェクト数はおよそ100であり、今後も様々なプロジェクトが追加される予定です。
次の章にて、Starknetエコシステムに掲載されている様々な主要サービスについて解説していきます。
Starknetに参入する場合はぜひ参考にしてみてください。
Starknetのウォレットを紹介
Starknetのウォレットは、2つの有名なプロジェクトがあります。それがArgentとBraavosです。
Argent
Argent：https://twitter.com/argentHQ
Argentは、Starknetエコシステムの一部として提供されているウォレットアプリケーションです。
このウォレットは、暗号資産（仮想通貨）の保管と取引を容易に行えるように設計されており、ユーザーフレンドリーなインターフェースが特徴です。
同じStarknetのウォレットとしてBraavosもありますが、知名度はArgentの方が上といわれています。実際にXのフォロワー数なども比べてみると、Argentに軍配が上がります。
どちらを導入すべきか迷った場合、知名度で決めるのであればArgentを選ぶ人が多いと言えるでしょう。
Braavos
Braavos：https://twitter.com/myBraavos
Braavosは、暗号資産（仮想通貨）を直感的かつ安全に始めるために作られた次世代ウォレットです。
Web3 のあらゆるニーズに合わせて設計されたセルフカストディアルウォレットであり、どこにいても単一のアプリでトークンを管理することができます。
Starknetへのブリッジを紹介
StarknetウォレットへMetamaskなどからトークン資産を移動させる場合、ブリッジを使うのが一般的です。
StarkGate：Starknetの公式ブリッジ
StarkGateはStarkWareによって開発された、ブリッジです。
Ethereum↔Starknetのみブリッジが開通しているため、他のLayer2などからのブリッジはできませんが、公式ブリッジということで多くの人が利用しています。
他のLayer2チェーンからStarknetへのブリッジ
StarkGate以外のブリッジを使うことで、レイヤー2チェーンからStarknetへブリッジできます。
LayerswapやOrbiterは様々なチェーンに対応したブリッジであり、polygonやArbitrumを使用して安価なガス代でブリッジすることが可能です。
その他にもStarknet Ecosystem掲載のブリッジはいくつかあり、OmniBTCなども私は使用する機会が多いです。手数料の安いところを選んでみましょう。
StarknetのDeFiを紹介
Starknetでトークンが取引可能なDEXはいくつかあります。
- AVNU：https://app.avnu.fi/ja
- Fibrous：https://app.fibrous.finance/
- JediSwap：https://www.jediswap.xyz/
こちらもどれを使っても良いですが、それぞれ比べてみてお得なところを使うと良いでしょう。
また、DEXの他にも様々なサービスがあります。以下に、AVNUをはじめとして色々なサービスをご紹介します。
AVNU：StarknetのDEX
私が良く使っているDEXがAVNUです。
AVNUは、Starknetにおいてより良いトレードを提供するDEXアグリゲータープロトコルです。
Starknetにおいてイーサリアムなど暗号資産（仮想通貨）をトレードしたい場合、自分もAVNUをよく使う場合が多いです。通貨にもよりますが、大抵は非常に良いレートでトレードすることができます。
また、DEX以外のDeFiとして、レンディングプロトコルもあります。
zkLend：Starknetのレンディングプロトコル
Starknetでレンディングプロトコルといえば、まずzkLendが挙げられます。
zkLendでは資産を預けて利回りを得ることができたり、逆に資産を借りることもできます。
zkLend：https://twitter.com/zkLend
NOSTRA：レンディングのための流動性プロトコル
Nostra は、暗号資産貸し借りのための汎用性の高い流動性プロトコルです。
Nostra に暗号通貨を預けて収入を得たり、プロトコルの独自の機能を活用しながら、預金を担保として暗号通貨を借りたりできます。
zkLendと主な機能は似ていますので、レンディングサービスは好きな方を使うと良いでしょう。
EKUBO：StarknetのAMM
Ekuboは、Starknet上で動作するAMMプロトコルです。
Ekuboプロトコルは、集中流動性、singletonアーキテクチャ、および拡張機能を特徴としています。
Starknetアーキテクチャを最大限に活用するように設計されており、どこでも最高のスワップの執行と流動性プロバイダーのリターンを提供することを目標としています。
StarknetのDigital IDを紹介
Starknetにおいても、イーサリアムメインネットのENSと同じようなIDドメインサービスがあります。
Starknet.idによるSTARKドメイン
Starknet.idは、STARKドメインを取得することで独自のStarkNetアイデンティティを構築することができるプロジェクトです。
Starknet.idを使えば、Starkドメインを主張してStarknetプロファイルを作成し、エコシステム内のあらゆる場所でそれを使用し始めることができます。
StarknetエコシステムにおいてDeFiなどを使っている人は、Starknet.idのドメインも取得している人が多い印象です。
Starknetについてのまとめ
Starknetは、分散型アプリケーションの開発をより一層促進することが期待されています。
Starknetの登場により、より多くの開発者がブロックチェーンアプリケーションの開発に参加し、分散型アプリケーションの普及が促進されることが期待されています。
結論として、Starknetは、イーサリアムの成長を促進し、分散型アプリケーションの開発を加速することが期待される新しいブロックチェーンプラットフォームです。
その高速な処理速度と安全性は、イーサリアムのプラットフォーム上で開発者にとって大きな利点となるでしょう。
Starknetリンク集
- Starknet公式サイト：https://starkware.co/starknet/
- StarkWare X(Twitter)：https://twitter.com/StarkWareLtd/
- Starknet X(Twitter)：https://twitter.com/Starknet
- Starknet Discord：https://discord.com/invite/qypnmzkhbc
